口裂け女

口裂け女という映画を見ました。書くことないから最近観た映画のことでも書きますよ。
さて表題の映画ですが、はっきり言ってつまらなかったです。ある意味俺の日記よりつまらない。でも、無理やり面白く捉えることは出来そうですよ。基本的にネタバレで行きます。

──口裂け女は本来存在しないモノであった。
そこはとある家庭。母親と子供という母子家庭であった。母親は少し気が違っていた。少しでも気に入らないことがあると母親は子供に暴力を振るっていた。いわゆる虐待。母親は子供に暴力を振るうたび、本当は子供を愛したいのに、しかし愛することが出来ないという狭間で精神を疲弊させていった。ある日母親は子供に自分のことを殺してくれと懇願する。もちろん子供はそんなことは出来ない。暴力を振るわれようと、母親は母親だ。
しかし母親はどうしようもない。ついに母親は子供を殺そうとするが、子供は間一髪でかわし、反射的に母親に渡された包丁で母親の顔を切りつけてしまう。ちょうど、口元を裂くように。それでも母親は子供を手にかけようとし、子供はどうしようもなく母親の腹部を刺し、手にかけてしまう。
母親は死んだが、魂が怨念となって彷徨い続ける。子供をどうしても愛することが出来ない母親たちに乗り移り続け、延々、「私を切れ(わたしキレイ?)」と懇願し続ける──。

というような非常にやりきれない砂を噛むような作品でした。いやーこうやって書き綴るとすげー面白そうのなんのって。実際は映画としての全体のつくりはかなり雑で、テーマ性に届く前に手抜きな映画だなあと思われること請け合いの一品なのですが、こうして無理やりテーマ性を明るみにしてみると、家庭内暴力という現代の病魔を口裂け女という偶像に比喩させたテーマ性と物語性をうまく両立した素晴らしい逸品であることに気付きます。いやー面白かった!無理矢理だけど。