アクセル・ワールド 黒雪姫の帰還

アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)

アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)

待ってました。本当に首を長くして待っていた電撃文庫大賞受賞作。まあそれは重要だけどさほど自分にとって重要というわけではなく。かの有名なオンライン小説ソードアートオンラインの人の商業デビュー作なのですね。そこが重要。いやラノベの発売心待ちにしたのって久し振りだなあ。さーて買うぞと思って色々本屋を回ってみたのだが、売ってない。どこにも売ってない。ありえねえ。さんざん探してようやく地元で一番規模の大きい本屋で二冊置いてあるのを一冊ゲットできた。初めからでかい所行けよって感じだけど、よもや品薄になるなんて思わないもの。こんなに手こずったのはハルヒの一巻以来だな。
ともあれ無事購入して早速読む。内容としては予想通りのオンラインゲーをテーマにした作品。SAOより更に未来の話で、セカンドライフじゃないけどネットワークが誰しもの生活の一部になってる時代。デブで苛められっ子の主人公は、学校でも有名のお嬢様(お姫様か)とある理由で知り合い、ブレインバーストというオンラインゲームのソフトを貰うところから始まる。キーワードは『加速』。もっと速くなりたい。ここではないどこかへぶっ飛んで行きたい、という主人公の渇望が物語になってて、ひたすら話が加速していく。狙ったのかそうでないのか、巧さより熱さと速さに重点を絞ってて、ラストまで真っ直ぐ進んでいく。ボーイミーツガール。仲間との確執と和解。大きな舞台のほんの辺境の地から始まる、等。これでもかとラノベ王道の仕上がりになってる。ただ主人公が単に運が良いだけのラッキースケベではなく、これまで積み上げてきたものがあるから活躍出来る、というのは大いに納得のいくところ。まあ積み上げてきたものはゲームなんだけどね。でも、そういう必然性があるのは良い。
変化球でもなく目新しさでもなく、文体や雰囲気なんかはあくまで普通で普遍。でも、電撃小説が電撃ゲーム小説だった頃。第一回電撃ゲーム小説大賞受賞作であるクリス・クロスという作品があるのだけど、あれもゲームをテーマにした作品だった。あれが初めて読んだラノベであるし今でもたまに読み返すくらい好きなのだけど、あれに通じる。新しいゲーム小説という感じがして良かった。原点回帰って言葉は好き。
余談だけど、ソードアートオンラインも四月から電撃で刊行していくみたい。最近HTML版は作者さんのサイトで希望者に配ってて、ファンである俺も勿論頂いたのだけど、電撃文庫版は文庫版で勿論買うつもり。ナインエスも最近出ないでラノベから遠ざかっていたのだけど、またラノベが楽しくなってきた。昨日今日とラノベのこと書きすぎって気もするけど、まあいいのさ。