ロケットガール

話は全然変わってライトノベルの話。かなり昔のファンタジア文庫である、ロケットガールというシリーズを最近通して読んで見ました。見た目はライトなノリなんだけど、内容は明らかにハードリアル宇宙SFであるという一品。
宇宙物というと銀河英雄伝説のようなスペースオペラとか、あるいは銀河の果てで未知の生物と遭遇、とかそういうのを連想しがちだけど、これはそれらに比べて相当ストイック。銀英伝もまあ悪くは無いんだけど、ロケットガールは突き詰めたリアルな世界観が凄く良かった。宇宙に出るために先ず必要なのは?──先ず訓練だろ。
という至極真っ当なことが、真っ当に書いてあるラノベ。全く持って面白いぜ。
残念なのはもう既に事実上シリーズが終わってるっぽいこと。3巻で月に月面飛行して、そこで何年も止まってるらしい。巻ごとにエピソード組んであるから続きが気になるという感じではないのだけど、
一巻が地球軌道上の有人飛行。
二巻は同じく軌道上人工衛星修理。
三巻が有人月面着陸。
そんな風に、少しずつ宇宙開発が発展していってるのですね。(少しずつ、というのがリアルで良い)だから、そのまま少しずつリアルを広げていって欲しいのだけど。
でもまあ、月以降の有人飛行というと、ちょっと想像力の範疇を超える。現状では有り得ないですからね。火星に有人飛行するなら月面にそれなりの基地を造ってからだろうし、そのためには何十年も掛かる。現状でもどうしても火星に行けないというわけでも無いのだろうけど、メリットが無いんだろうね。
火星や金星、木星なんかは、人類にとっては単なる調査対象でしかないのだけど、月面は明らかに違う。人類進化のレール上の一つに、月面の開発はあると思う。まあロケットガール3巻の受け売りですが。