やってて良かった中国語

上海でタクシーに乗ったときのこと。目的地まで56元で、自分は100元札で支払いをした。酔った頭でおつりは44元かとぼんやり考えていたら、なにやら運転手が車から降りた。何を言っているのかわからないが、何か見て欲しいものがあるらしいことが素振りで分かった。自分も降りてみると、運転席側のドアノブが外れていて、外れたドアノブを持って運転手が厳しい剣幕で何かまくし立ててくる。何を言っているのかわからないが、つまり俺ら(同行者の日本人が一人いた。中国語はまったく分からない。かなり酔っててあてには出来ない)のせいでドアノブが壊れたから、おつりの44元は修理費に当てるということを言いたいらしかった。自分も酔ってたのもあるし、仕事で色々言われたのもあるし、日本人向けの店から乗ったタクシーであり、ああこいつ、この調子でいつも日本人食い物にしてるなと思ったら無性に腹が立って、相手の剣幕以上の剣幕とでかい声で、「俺たちに問題はない。車の問題だ。おつり44元」と、拙い中国語で言い続けた。相手も何かわめいてるが何を言ってるのか分からないので耳を貸さず、延々と。やがて向こうも疲れたのか、20元を差し出してきた。それでも正規のおつりには足りないのだけど、これ以上はほんとに面倒なトラブルになりかねないので妥協して、受け取っておいた。まあそれだけの話なのだけど、中国語習ってて良かったという気持ちでした。どんなにひ弱なものでも、武器があるのと無いのとでは戦う上でのモチベに関わりますね。